2019年凱旋門賞観戦記-エネイブル3連覇ならず-

 2019年10月6日、フランス・華の都パリにあるロンシャン競馬場で凱旋門賞(GⅠ)がおこなわれました。1969年にスピードシンボリが日本馬として初めて参戦して以降、名実ともに世界最高峰のレースである凱旋門賞を制覇することは日本競馬関係者にとっての悲願となっており、その観戦を一生に一度はと思っている日本競馬ファンも多いことでしょう。私は縁あって現在パリに住むことができており、今回2019年の凱旋門賞を現地で観戦することが叶いました。当日に撮った写真などと合わせて、その様子を簡単に書き残しておこうと思います。

 10月6日、当日の天候は午前中にしとしとと雨が降っていたものの午後にはあがり、レース自体は晴れの状態で迎えることができました。ロンシャン競馬場の開門が11時でしたが、下にあるように第1レースの発走が14時15分、あまり早く着いてもということで13時過ぎを目安に到着するように家を出ました。


ありがたいことにロンシャン競馬場まで1時間もかからないところに住んでいるので早めのお昼ご飯を食べて、前回のフォワ賞観戦時と同じポルトドートゥイユ経由でロンシャン競馬場に向かいます。今回は無料シャトルバスがちょうど良いタイミングで来たのでそれを使いました。
 
 現地に着き、長い列に並んで門を入るとこの前のフォワ賞の時とは比べ物にならない観客の数に圧倒されました。着いたのは13時過ぎでしたが、この時点でかなりの人が入っていました。無類のビール好きの私はすぐにビールを買いにいき、持ち帰り可能なエコカップでビールをまず1杯。



騎馬隊の行進などで盛り上がりながらレースの開始を待ちます。




 凱旋門賞は第4レースなので結構時間があります、少し馬券を買って外したりしながら、有名人いないかなーなんて探しながら待っていると(中野雷太アナウンサー、角居調教師、千鳥のノブさん、麒麟の川島さん、ナイツの土屋さん、吉田照哉さんなどなど発見!)、一人の老紳士に話しかけられました。彼はアイルランドから来たそうでエネイブルを熱心に応援していました(額を聞いても教えてくれないくらいの金額をかけていたようです。。。)。彼とは世間話やら競馬の話で意外なほど会話が盛り上がりました。やはりオルフェーヴルのことは知っており、通りかかった吉田照哉さんのことを「日本で一番有名なオーナーの一人だよ」と教えてあげたり、遠くの方で輪乗りする凱旋門賞出走予定馬を見て、「エネイブルを遠くから見て識別する方法は二つあるんだ。一つは顔の白い模様。もう一つは近くにジョン・ゴスデンがいるのさ」などとエネイブルの見分け方を教えてもらったりとぐだぐだ30分はしゃべっていたような気がします。

 パドックに馬が出てくると彼と互いの幸運を祈って別れると、あまりの人だかりでパドックには近づけないため最後の直線を良い位置で見ようと馬場の方へ向かい、そこそこ良いポジションを確保、レースを待ちます。馬場に馬たちが出てくると観客のボルテージは最高潮です。








レースの結果は皆さんご存知の通りヴァルトガイストがエネイブルを差し切っての優勝。ゴール前の歓声もこれまた凄まじいものがありました。


パドックに帰ってきてガッツポーズのブドー騎手

馬券はエネイブルとマジカルの2頭軸で見事は外しましたが大興奮の凱旋門賞初体験でした。日本馬は3頭とも良いところはなく7着、11着、12着でしたが、これは今回の重い馬場も大いに影響があったと思います。参加しないことには勝ちはないのでこれからも日本馬の参戦を期待したいです。特に今回の凱旋門賞の上位入線馬は例外なくガリレオの血を持っており、日本でもガリレオの血を持っている有力馬が出てくることがあればいいなという気もしました。とはいえ日本の競馬は欧州の競馬とはまた異なる特性を持っており、間違いなく世界でもトップクラスの水準にはあるはずです。いつの日か日本馬が凱旋門賞を制覇することになるはずです。

 ロンシャン競馬場は普段のGⅠ程度であればそこまで大混雑するようなこともありません。しかし凱旋門賞デーは別格ということでしょうか、凄まじい盛り上がりでした。今回でロンシャン競馬場は3回目の訪問でしたが、また一つ新しい面を見たような気がします。ぜひこの記事を読んだ皆さまも一度はロンシャン競馬場を訪れてほしいと思います。馬との距離も近く、本当に素晴らしい競馬場です。来年の凱旋門賞がすでに待ち遠しく、再びの観戦を心に誓いながら帰路についたのでした。








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