最近のワクチン接種の話題などに関連して思ったこと

 最近のワクチン接種などに関連して、「ワクチン接種が遅い!」とか、今日で言えば朝日・毎日の予防接種システムに関する不正行為をまじえた記事などを見て感じたことは月並みに日本と欧米(少なくとも私のよく知るフランス)との違い、大きく風呂敷を広げれば「文明」の違いなのかもしれない。

 長々と書くつもりもないので簡潔に言うと、建物をその都度建て直す日本と、建物を壊すことなく継ぎ接ぎ継ぎ接ぎで修理しながら使っていくフランスとの違いである。今回日本ではワクチン接種のシステムが始動し、様々な問題点が示され、朝日・毎日問題でも予防接種のシステムの脆弱性が不正行為によって(この点は問題だと思うが今回は問わない)明らかになった。
 そもそもシステムとは本来的に完璧ではありえず、その都度問題があれば改善していくものである。しかし、おそらく最初から100点のものを求め、使い終わればそれを取り壊して作り直す日本的精神にはそりが合わないのだろう。一方で、修繕によってその都度その都度改善する(悪く言えば根本的な問題を解決しようとはしない)フランス的な精神とこれは親和性が高いように思う。一度作った憲法を金科玉条のごとく使い続ける日本と、折に触れてそれを改正するフランスとの違いと大きく言ってみる。さらには日本で慢性的にプログラマーが不足しているのも、一因にはこういう精神的風土があるのではないかとお風呂で思いついた次第である。
 日本は国民の持つ几帳面さや遵法精神などにより、かなりの程度新型コロナウイルスの感染爆発を抑えてきたが、それがワクチン接種の段になって良くない方向に働いているのではないかというのが私の懸念である。とにかく今の日本の新型コロナウイルスに関する最優先課題は「大量にワクチンを打つこと」、これ以外は些事である。システムなど走りながら改良していけばいいわけで、とにかく迅速にワクチン接種を進める以外にこの悪夢を抜け出す方法は現時点で存在しないわけである。それには挙国一致、国民が一団となって一つの方向に進むことが重要であることはいうまでもない。お風呂で考えていたことの発露がなかったため殴り書きしたものゆえ、「あっそ」くらいに思ってくれたら幸いです。

【感想】亀田俊和著「観応の擾乱:室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い」、中央公論新社、2017年。

 久々に良書に巡り合ったので簡単に感想文を書いてみました。10分くらいで殴り書きしたものなので誤字脱字、主語述語おかしくなってたらごめんなさい。

 具体的な内容に関しては日本史学の素人であるため立ち入らない。この本で貫かれている姿勢が素晴らしいと感じたためそれについて少々書いてみよう。本書で貫かれているのは「歴史学」である。著者はあくまでも一次史料に立脚しながら状況証拠的に論を組み立てる非常に歴史学的な方法を取っている。専門書でなく新書であるがゆえに脚注などはついていないものの、史料名が文末に括弧で示されるなど丁寧な記述が目につく。そのため「これがよく一般書として大ヒットしたなー」と素直に思ってしまった。全くこの時代の知識がない読者にとってはなかなか難しい内容になっているのではないだろうか。とはいえ私は本書を「歴史を学ぶ学部生必読の書」とすべきだと感じた。著者はあとがきにて観応の擾乱については本書が今後必読文献になれば(252頁)、と書いているが、日本史に限らず歴史学部の学生にとって学ぶべき歴史学的姿勢を本書から得ることができるはずだ。もちろん「筆者の想像であるが、、、」(111頁)と一歩踏み出す箇所も見受けられるが、これは新書という特性を十分に活かした良い記述だと感じた。

 さらに本書は「日本中世政治史の枠組みを作った巨人」(9頁)佐藤進一の論への反論でもあるが、これもまた非常に歴史学的な姿勢である。定説への挑戦を繰り返し歴史学は進展していく。また私の個人的な見解であり、日本史学においてこのようなことが言えるかどうかはわからないが(佐藤進一氏も名前を知っている程度でその業績については全くカバーできていない)、戦前・戦後期の歴史学は西洋においても(おそらく日本においても)多かれ少なかれ「目的論的」な姿勢が見受けられるように思われる。筆者が批判的に検討する、一方的裁許よりも理非糾明を上位に置き、それを進歩と結びつける日本中世研究者に見られる姿勢もまたこうした「目的論的」な立場、言い換えれば進歩史観と言えよう。こうした姿勢の見直しは少なくとも西洋の歴史研究においても20世紀後半からは進んでおり、一例を挙げるのであればフランス革命史のフランソワ・フュレなど代表的である。

 つらつらと書いてしまったが、間違いなく良書であり、歴史に興味のある読者であれば購入しても間違いないだろう。歴史学を志す大学学部生であれば尚更ぜひ読んで欲しい。

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